登録制度・営業保証金・弁済業務保証金の勉強方法|混同しやすい違いを比較で整理
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登録制度、営業保証金、弁済業務保証金は、旅行業法の中でも数字が多く、似た制度が並ぶ分野です。最初につまずきやすい一方で、ここを押さえると、あとの項目が格段に分かりやすくなります。この記事では、3つの制度を「比較」で整理します。
この記事の要点
- 第2種旅行業者は、海外の募集型企画旅行を自ら実施できません。第3種は国内の募集型企画旅行を拠点区域内に限って実施できます。
- 営業保証金は、供託した旨を、登録の通知を受けた日から14日以内に届け出て、届出をした後でなければ事業を開始できません。
- 弁済業務保証金は、旅行業協会に加入した旅行業者(保証社員)が協会に分担金を「納付」し、協会が供託する制度で、営業保証金の供託は不要になります。
登録制度:まず、種別ごとの業務範囲を表にする
旅行業の登録は、第1種・第2種・第3種・地域限定の4つの種別に分かれます。それぞれが自ら実施できる旅行の範囲が違います。ここが、あとの項目(管理者の資格、広告、旅程管理など)の前提になります。
| 種別 | 募集型企画旅行 | 受注型企画旅行・手配旅行 |
|---|---|---|
| 第1種 | 国内・海外とも実施できる | 国内・海外とも取り扱える |
| 第2種 | 海外の募集型企画旅行は、自ら実施できない(国内は可) | 国内・海外とも取り扱える |
| 第3種 | 国内の募集型企画旅行のみ。しかも拠点区域内に限る | 国内・海外とも取り扱える |
| 地域限定 | 拠点区域内のものに限る(海外は不可) | 拠点区域内のものに限る(海外は不可) |
地域限定旅行業者でも、旅行相談と受託契約に基づく代理販売は、国内・海外とも取り扱えます。拠点区域は、営業所のある市町村とそれに隣接する市町村などです。
- 旅行業者代理業の業務範囲は、旅行業法に定めがありません。所属旅行業者との業務委託契約で、委任された範囲に限られます。
- 登録の申請先は、第1種旅行業が観光庁長官、それ以外が主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事です。
登録の拒否事由は、「5年」を軸に覚える
登録の拒否事由は、「5年を経過していない者」という形で多く出てきます。個別に暗記するより、何が起点かを整理します。
| 拒否事由 | ポイント |
|---|---|
| 登録を取り消され、取消しの日から5年を経過していない | 5年たてば該当しない。協会への加入の有無や、復権を得た破産者は拒否事由ではない |
| 拘禁刑以上の刑に処せられ、執行終了等から5年を経過していない | 法律の種類を問わない |
| 旅行業法違反による罰金刑で、執行終了から5年を経過していない | 旅行業法違反の罰金刑のみ。ほかの法律の罰金刑は該当しない |
| 暴力団員等、暴力団員でなくなった日から5年を経過していない | 親族というだけでは該当しない |
| 申請前5年以内に、旅行業務等に関し不正な行為をした | 苦情の申立てや協会の退会は該当しない |
| 未成年者の場合 | 未成年者であること自体は拒否事由ではない。法定代理人が他の拒否事由に当たるときに拒否される |
登録の更新、変更登録、登録の取消しの期限(5年、2か月前、30日以内など)は数字の覚え方の記事の一覧にまとめています。
営業保証金:供託して、届け出て、はじめて開始できる
営業保証金は、旅行者との取引で損害が出たときに、旅行者が弁済を受けられるように、旅行業者があらかじめ供託所に預けておくお金です。流れを、時間順に並べると次のようになります。
- 登録の通知を受ける
- 営業保証金を供託する(新規登録では、申請時に添付した書類に記載した年間の取引見込額で額を算定する)
- 登録の通知を受けた日から14日以内に、供託書の写しを添えて、供託した旨を届け出る
- 届出をした後でなければ、事業を開始できない(供託しただけでは足りない)
- 届出がないときは、登録行政庁が7日以上の期間を定めて催告し、それでも届出がなければ、登録を取り消せる
- 営業保証金の額は、前事業年度の旅行者との取引額に応じて、登録の種別ごとに定められる。7,000万・1,100万・300万・15万円は、取引額が少ない場合の最低額
- 取引額が増えて不足したときは、追加供託が必要。事業年度終了後は100日以内に届け出る
- 旅行業者代理業者と旅行サービス手配業者には、供託義務がない。ただし代理業者は、所属旅行業者が供託して届け出た後でなければ、事業を開始できない
取戻しは、原則として公告が必要
営業保証金を取り戻すときは、原則として、還付請求権者(取引で損害を受けた人など)に申し出るよう公告をします。公告では、6か月を下らない一定の期間内に申し出るべきことを知らせ、申出者がいなければ、全額を取り戻せます。例外として、事業年度終了後に取引額が減って超過が生じたときの取戻しは、公告が不要です。取戻し事由の発生から10年が経過した場合も、公告なしで取り戻せます。
弁済業務保証金:協会に「納付」し、協会が「供託」する
営業保証金は、旅行業者が自分で供託する制度です。一方、旅行業協会に加入した旅行業者(保証社員)は、営業保証金を供託しなくてよい代わりに、協会に分担金を納付します。協会が、その分担金を集めて供託所に供託する仕組みが、弁済業務保証金制度です。
| 営業保証金 | 弁済業務保証金 | |
|---|---|---|
| 預ける人 | 旅行業者(自分で供託) | 旅行業者は協会に分担金を納付し、協会が供託 |
| 預け先 | 供託所 | 旅行業協会(分担金)→供託所(協会が供託) |
| 言葉の使い分け | 供託 | 協会に預けるときは「納付」、供託所に預けるときは「供託」 |
| 金額 | 7,000万・1,100万・300万・15万円(最低額) | 分担金は、営業保証金の5分の1(1,400万・220万・60万・3万円) |
| 預けるもの | 有価証券でもよい | 分担金は金銭のみ |
| 不足したとき | 追加供託 | 保証社員は、通知を受けた日から7日以内に還付充当金を納付 |
| 保証社員の約款への記載 | 供託所の名称・所在地と、営業保証金から弁済を受けられること | 所属協会の名称・所在地、弁済業務保証金から弁済を受けられること、弁済限度額など |
弁済限度額は、営業保証金と同額以上です。保証社員でなくなったときは、直ちに営業保証金を供託し、その日から7日以内に届け出る必要があります。分担金は、加入しようとする日までに納付します。旅行業協会として指定を受けている団体は、日本旅行業協会(JATA、総合試験の実施団体)と全国旅行業協会(ANTA、国内試験の実施団体)の2つです。
この分野の勉強の進め方
- 種別の表を、自分で書く。 業務範囲、営業保証金、基準資産額、分担金を1枚にまとめます。
- 営業保証金→弁済業務保証金の順に、続けて解く。 2つを続けて解くと、「供託」と「納付」、「追加供託」と「還付充当金」の違いが意識できます。
- 間違えた理由を、一言でメモする。 「第2種と第3種を取り違えた」「公告が不要な例外を忘れた」など、理由まで残すと、見直しが速くなります。
登録制度・営業保証金・旅行業協会と弁済業務保証金は、それぞれ10問ずつ、何度でも解けます。
この記事の項目で、問題を解く
よくある質問
- Q.第2種旅行業者が、自ら実施できない旅行は何ですか。
- 海外の募集型企画旅行です。国内の募集型企画旅行や、受注型企画旅行、手配旅行は、国内・海外とも取り扱えます。
- Q.営業保証金を供託した旨は、いつまでに届け出ますか。
- 登録の通知を受けた日から14日以内に、供託書の写しを添えて届け出ます。届出をした後でなければ、事業を開始できません。
- Q.保証社員とは何ですか。
- 旅行業協会に弁済業務保証金分担金を納付した旅行業者です。保証社員は営業保証金を供託しなくてよく、取引で損害を受けた旅行者は、協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受けられます。
まずは、今日の10問から。
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参考にした公的な情報
この記事は、法令や公開されている情報をもとに、旅管なびが独自にまとめたものです。試験の最新情報(試験日、時間割、合格基準、法令の基準日など)は、実施団体である日本旅行業協会の受験案内で、必ずご確認ください。運営者・編集方針は旅管なびについてをご覧ください。